映画日記「シェイプオブウォーター」



大好きなデルトロ監督のダークファンタジー「シェイプオブウォーター」見てきました!

あらすじ

1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くように。幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る。

所感

いつものデルトロ節満載の、デルトロ好きならありな映画なんですが、いまさらなぜこの手の(これまで虐げられてきた感のある)作品ががメジャーな賞を受賞しているのかちょっと不思議。

ストーリーの骨子は「人魚姫」、もしくは2001年のスペイン映画「H・Pラブクラフト」原作の映画「ダゴン」
 
 をいろいろ(主人公の性別、どっちが怪物か、どっちの世界にいくのか等)逆転させた話に感じました。

なので驚くような展開や描写はなく結構古風な話を丁寧に描いてる感じ。
恋愛要素があるからといって決して女性向でもなく
(女性がこれって共感できるのかな?)
正直なとここれは誰向けに発信している映画なのかなーとも思いました。

と辛口なこと書いてしまいましたが、もちろんデルトロの世界観が好きな方は楽しめます。

メインの怪物が「アマゾンの半魚人」ということで最新映像技術によるの半魚人を拝めるのは嬉しいし、予想通り「ヘル・ボーイ」の「エイブ・サピエン」のイメージをもっと原始的にしたデルトロ感満載の半魚人でした。
これはコスプレ用マスクですが・・
 
中に入ってる役者も同じ「ダグ・ジョーンズ」のようで、「パンズ・ラビリンス」のパンやペイルマンもそうでしたが、
「パンズ・ラビリンス」の「パン」
「パンズ・ラビリンス」の「パン」
「パンズ・ラビリンス」の「ペイルマン」
「パンズ・ラビリンス」の「ペイルマン」
今回も、独特の気持ち悪い雰囲気を見事に演じてくれていて、デルトロで異形といえばこの人!みたいなになくてはならない役者になってます。ヘルボーイの「ロン・パールマン」のように、二人の堅い信頼関係が伺えますよね(勝手な推測ですが・・)。

また、主人公に助け出された半魚人が、飼い猫を頭から丸かじり、(しかもその描写が結構グロい・・)と猫好きなら悲鳴をあげそうな、決して子供に媚びた展開ではないところとか、なかなかデルトロ的で面白いです。
(そもそもR15です)

そしてなんといっても、デルトロ映画映画全体に漂う、ちょっとダークで寂し気な(ティムバートン作品をよりダークにしたような)雰囲気がいいですね。
あまり暗くなりすぎないように、陽気な黒人のおばちゃんを配置してるのもバランスがとれててちょうどいいです。

ただ、デルトロ作品だと、圧倒的に「パンズ・ラビリンス」のほうがいいと思うんだけどなー(ちょっと重いという意見もありますが・・)。

1点気になったのは、ラストの落ち。

主人公「イライザ」はもともとそっち系の人だったのか、ラストシーンでそっち系になったのか?ということ。

この辺は、監督が言いたいこととも関連しそうだけどちょっと気になるところ。
僕は冒頭のくだり、生い立ち、傷からそっち系の人だと思ってみてましたが・・

さて後日、もろもろ疑問に思っていたこと、特に受賞の理由について
「町山智浩」さんの「映画時評」を聞いて少し理解できました。
映画鑑賞後に是非聞くことをお勧め致します↓
なるほど、半魚人は南米人のメタファーで、移民や立場の弱い人々とマッチョな白人への抵抗を描いているわけですね。
納得できる部分もありますが・・、
うーん、でも普通に見てる人(特に日本人には)にそれ伝わるんかなー。

さて次は、「パシフィック・リム」続編に期待です!(こっちは大衆向けにいつものデルトロ節は封印してますが・・)

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